尺八の長さを変えて、曲を転調する、あるいは曲を転調して、長さの違う尺八に持ち替える場合の、調と長さの関係を表にまとめました。(2010/8)
今回、篠笛の転調表も作成しました。(2011/9/30)

尺八転調表

尺八転調表

篠笛転調表



尺八転調表の見方:表のあるセルの調(#,♭の後の数字はその臨時記号の個数です)を転調する場合、転調幅の半音の数だけ左または右に離れたセルの調に転調されます。転調後の列に対応する長さの尺八を使用すれば、転調前と実音で同じ高さの音になります。

例えば、1尺8寸管(基音D)を基準にとると(緑色の列)、臨時記号なし(ハ長調、イ短調)の曲は、長2度(半音2つ)下に移調した場合、 緑色の列の- 印のセルから左へ二つ目のセルへ移動すると♭2個の調になることが分かります。つまり1尺6寸の7孔尺八ならハ長調、イ短調の曲が♭2個の調に移調され、開放音で音階が吹けることになります。しかも、実音では転調前と同じ高さになります。

ある調の曲を7孔尺八で吹きやすい調である♭1つないし2つの調に移調するには、どの長さの尺八を使用すれば良いかがこの表では一目瞭然に分かりますね。

橙色のセルは7孔尺八で開放音だけで音階が吹ける調(♭2個)を表し、黄色はメリ音が1個の調(♭1個,♭3個)を表し、水色のセルはメリ音が2個の調(臨時記号なし、♭4個)の調を表します。青はメリ音が3個の調を表します。これくらいまでが7孔尺八で無理なく演奏可能な調ではないでしょうか。

1尺4寸から2尺1寸までの尺八で、♭2個(橙色)、♭1個または♭3個(黄色)の調に転調するのが、7孔尺八用にはお勧めです。1尺9寸が#2,3,4個の調をそれぞれ♭3,2,1へ転調できることに今回気づきました。

1尺8寸の7孔尺八に加えて1尺6寸、1尺9寸の7孔尺八があればかなりの調が守備範囲に入ります。#2個の調には1尺4寸も欲しくなりますね。

譜面を転調をするには譜面データを楽譜作成ソフトに入力して、移調機能を使って転調すると便利です。もっとも元の譜面を入力するのは大変ですが。私はPrintMusicというソフトを使っています。
その後musescoreに乗り換えました。こちらのほうがずっと使い易く、機能も豊富で、しかも無料です。(2011/9)

篠笛転調表の見方
篠笛は、みさと笛の場合のようにドレミの音階が開放音できるタイプであれば、吹きやすい調は、調号なし→♭1個→♭2個、♯1個→♭3個位までとして、色を橙色→黄色→水色→紺色を順に付けました。
8本を基本にして、表を作ってあります。
1本から8本位までが使いやすい範囲だとすれば、かなりの調が守備範囲に入ることがわかりますね。
5本が#3個や2個の調にぴったりですね。音域も良さそうです。

尺八と篠笛の両方を使い分ければ、一層カバー範囲が広がります。
ただ、音域の制限もあるので、次の機会に音域を含めて表を作ってみたいと思います。(2011/9)